二人の商人―成長する人の考え方―

いよいよ夏休みに突入しましたね!学校がお休みになるこの期間は、日々の過ごし方が生徒のみなさんの気持ち次第で大きく変わってくるので、1年の中でも特に差がつきやすい時期になります。僕からお伝えしたいのは、この期間を自分なりのテーマを持って過ごしてほしいということです。つまり目的・目標ですね。この夏休み期間が終わった後にどんな自分になっていたいのか、まずはみなさん自身の想いが大事です。勉強を頑張るというのは自分の想いを実現するための手段のひとつに過ぎません。ですから、理想の自分の姿(ゴール)を明確にイメージできていなければ勉強に限らずどんなことでも100%の力で頑張れないですよね。目標設定で大事なことは、自分何を達成することで誰にどんなプラスを与えたいのか、そして自分はどんなプラスを得たいのかを考えることです。例えば、夏休み中に英単語200個覚えてお家の人をびっくりさせたいな!とか、夏の模試で〇〇点を取って自信をつけたい!といった感じです。こういうことが自分の中でしっかりイメージできて初めて「いつまでにこれをやろう!」とか「毎日これをやっていこう!」という行動指針が決まるわけです。目標設定がいかに大事なのかということをまずは頭に入れておいてください。

さて、ここからは二人の商人の話をしましょう。あるところに、町から町へと商品を売り歩く二人の商人がいました。二人が次の目的地であるAという町に向かう途中、目の前に大きな山が現れました。商人のひとりがこう言いました。

「大きな山だなぁ、トンネルでもあればみんな楽に越えられるのに…」

するともう一人の商人は返しました。

「確かにそうだな、でも俺はもっと高い方がいいな。なんなら10倍でもいい。」と。

「どうしてだい?」先ほどの商人が聞き返します。すると、もう一人の商人はこう答えたのです。

「もっと高い山なら俺のほかに誰も越えられないだろ?そうすればAの町ではライバルがいないから自分の商品を売り放題じゃないか!」

お話はここまでです。二人の商人の違いは考え方にあります。目の前に現れた大きな山は、僕たちが直面する壁のたとえですね。一方の商人はそれをネガティブ(ピンチ)に捉え、他方の商人はポジティブ(チャンス)に捉えています。成長をし続けられる人の考え方はどちらでしょう。なんとなく分かりますよね、もちろん後者の方です。目の前の壁をチャンスだと考えられる人は常に前向き思考です。そういう人は目の前の壁が高ければ高いほど自分に大きなプラスになると思っているので、困難な状況でも常にそれをクリアする方法を模索し、自分は必ずできる!という思考回路になっているのです。「大きな壁=大きな成長のチャンス」という風に考えて、どんな課題に直面しても積極的にチャレンジしていけるようになりましょう!