今後の大学受験動向は?

みなさん、こんにちは!スタッフの井上です。早いもので、大学入試・高校入試ともに、一般入試(前期)が終了しました。受験生の皆さん、今どんな心境でしょうか?入試を経験する中で、どんな成長があったでしょうか。この経験が、今後の人生にひとつでも意味のあるものとして生かされていくことを願います。

今年度の受験も終盤に差し掛かり、幕を閉じようとしていますね。今年度の受験動向はどうだったのでしょうか?そして、来年度以降、大学受験を迎える生徒様が意識すべきことはなんでしょうか?今年の振り返りをしながら、今、この時期にお伝えしたいことをお話したいと思います。

さて、2023年度大学受験のキーワードは「2極化」でした。実のところ、以前から年々その傾向は強まっていたのですが、コロナの影響が弱まったことで2極化が決定的となりました。「2極化」とは、受験生の学力とそれに伴って受験方式が分断してしまっていることを指します。

そもそも5年前ほどから、私大入学定員の厳格化により一般入試が厳しくなったという話は、この匠通信でもお伝えしていましたね。その頃からすでに一般入試回避の傾向が表れ始め、大学側も推薦の定員を増やしはじめました。その後、共通テストへの移行と同時に、コロナ禍に見舞われます。これにより、入試内容・難易度の不透明な共通テストを回避するため、加えて、コロナにより一般入試が実施されないリスクを回避するため、各種推薦方式で大学を受験する人数が圧倒的に増加しました。実際、「3月末や4月に入ってから繰り上げ合格の通知が来た」というニュースが話題になったこともありましたが、そういったトラブルも後押しし、推薦入試の増枠はどんどん進んでいきました。

そういった経緯を経て、今年は、コロナの影響が少しずつ弱まり、また共通テストも回数を重ねてきたことで、ある程度入試難易度の予測が立ちやすくなりました。その結果、学力上位層ではチャレンジ受験が再燃し、国公立大学・難関私立大学は一般でトライする受験生が戻ってきました。しかし、一方で、特に私大においては、総定員のうち推薦入試の占める割合は依然として大きいまま(約50%)です。結果として、学力中位層までは年内にいずれかの推薦方式によって進学先を確保し、学力上位層は、一般入試までチャレンジするという図式となりました。

一般入試と推薦入試の選択の分岐点も明確になってきています。現在は、およそ偏差値55と言われています。2021・2022年度の受験結果から、この偏差値を下回ると私大一般入試の合格率が前年度対比で90%ほどに減がるとデータが出ています。そして、この分岐点は、いずれ偏差値60やそれ以上に推移していくと思われます。

今から、大学受験を迎える方、あるいは、大学受験はまだまだ先だと思っている方、もし、あなたが・お子様が高校生なら、すでに考え始めるべきかもしれません。まずは、将来なにがしたいか、単純に、なにに興味があるか、そこからスタートしましょう。考え始めるのに早すぎることはありませんから。