10年後の社会を生きる君へ 後編 ―未来は自分の手の中にある―

こんにちは!教務スタッフの南です。早速ですが、前月号では今まで当たり前だと思っていた学校の教育が大きく変わりつつあるということをご紹介しました。その例としてアメリカの学校を紹介しましたが、このように既存の学校教育を見直そうという動きはアメリカのみならず日本でも始まっているということを補足してお伝えさせていただきます。例えば東京都のある中学校ではクラス担任制、中間・期末テストといった定期テスト、宿題...といった今まで当たり前に学校で採用されていたシステムを廃止したのです。ただし、誤解して頂きたくないのは学校外部からの圧力によって無理やりこうした変革が起ったわけではなく、これからの社会を生き抜くためのスキルを生徒たちに身に付けさせるという目的を達成するためには既存の学校教育のシステムに改善すべき部分があったため、学校内部から変革の動きが起ったということです。

これらの学校に共通するのは21世紀の社会で通用するスキルを子どもたちに身に付けさせるということを第一目標とし、それに特化した教育を提供しているという点です。ちなみに、2016年1月に世界経済フォーラムが発表したレポートでは2020年に必要とされるスキルのランキングトップ10が発表されました。参考までに1位から5位までは以下の通りです。

①複雑な問題解決能力

②クリティカルシンキング

③創造力

④マネジメント力

⑤人間関係調整力

英語のレポートを日本語に直したものなので、少し分かりにくいものもありますが、簡単にいうと「コミュニケーション能力」や「問題を発見し、それを解決する力」、「新しいものを生み出す力」といったところでしょうか。前回の記事でも少し触れましたが、こういった能力のことを「ソフトスキル」と言います。ソフトスキルとは、人との関わり合いの中で社会生活を営んでいくのに欠かせない能力です。つまり、今後どのように社会が変わっていったとしても人間が存在する以上、必ず必要となるスキルなのです。

AIの能力が向上し、社会情勢はさらに急速に変化していくと多くの学者が予測しています。もしかしたら、AIによって人間の仕事が奪われるのかもしれません。しかし、私はそんな未来を悲観しておりません。生徒のみなさんにもこれから生きていく時代を悲観して欲しくありません。なぜなら、明日の社会を作っていくのは紛れもなくあなた自身であり、僕たち大人の仕事はあなたの目の前にレールを敷くことではなく、あなた自身の力で新たな道を切り拓いていけるパワーを授けることだからです。

みなさんに伝えたいことがあります。あなたにはあなた自身にも信じられないほどの能力がまだまだ眠っています。しかし、何もしなければ能力は眠ったままです。自分でも信じられないようなことを信じ続けられた人だけが、とてつもないことを成し遂げられるのです。あなたには想像もできないくらい多くの人を幸せにできる能力が備わっています。必ずあります。だから、成長し続けましょう。目の前の勉強を通して知識だけでなく他の多くの重要なことを学んでほしいのです。そうして手に入れることができたスキルは、あなたの一生の宝物になります。未来は切り拓くもの、すべては自分次第。未来はあなたの手の中にあるということをどうか忘れないでください。
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