「有志竟成」と6つの“C”

こんにちは!教務スタッフの南です。10月も終わりに近づきすっかり気候は秋めいてきました。季節の変わり目は体調を崩しやすいものです。自分の体調は自分でコントロールするという気持ちで元気に過ごしていきましょう。

さて、10月初旬はノーベル賞受賞者が発表される時期でした。今年はノーベル医学生理学賞を日本の研究者である本庶佑(ほんじょ たすく)先生が受賞されました!研究内容はニュースなどで取り上げられたりしているのを観てご存知の方も多いと思います。本庶先生はがんの治療に関して今までとは違ったアプローチでの治療法を確立しました。

みなさんの中には研究者というのは自分と住んでいる世界が違いすぎてリアルに感じられないという人もいるのではないでしょうか?本庶先生の言葉にも「自分は別に研究者になりたいわけじゃないし、あまり関係ないかも…」と受け取っている人もいるでしょう。しかし、そうではありません。研究とはもっと身近なものであり、誰しも研究者になりうるということを知ってほしいのです。

そもそも研究とはなんでしょう。私は広い意味でいうならば「誰も知らないことを明らかにする。つまり創造すること。」だと思っています。自分が何か壁に突き当たったときに試行錯誤して壁の突破口を見つけ出すこと、例えばスポーツで不振に陥ったときにフォームを変えてみるとか、自分なりの勉強法を生み出すとか、そういうことは全て研究だと思っています。ですので、これから紹介する本庶先生の言葉を自分のための話として受け取ってほしいと思います。

今回タイトルに書いたのは本庶先生が座右の銘としている「有志竟成(ゆうしきょうせい)」という言葉です。もとは中国の古典に書かれている言葉で「志有れば竟に成る」すなわち、「固い志を持つ者は、目的を必ず成し遂げられる」という意味です。

そしてもう一つ紹介したいのが、昨年本庶先生がある高校の生徒と面会した後日にその高校に送ったお礼の手紙の中で綴ったという、高校生(今の若い世代)に大事にしてほしいという6つの“C”の内容です。

「Curiosity(好奇心)を忘れず、Courage(勇気)を持って困難な問題にChallenge(挑戦)し、必ずできるというConfidence(確信)を持ち、全精力をConcentrate(集中)して、諦めずにContinuation(継続)させること」

この言葉の中には目標を達成するためのエッセンスが凝縮されているなと感じました。学術研究だけじゃなく、社会に出てからどの分野に進んだとしてもためになる内容だと思いませんか。そして、本庶先生はもう一つ私たちに重要なことを教えてくれています。それは、誰かのために事を成し遂げるということです。先生の研究の根幹には「困っている人を助けたい」という気持ちがあります。自分は誰のために何をしたいのか、誰を幸せにしたいのか、そういう部分を考えていった結果として高い志を持てるのではないのでしょうか。生徒のみなさんにもぜひ本庶先生の「有志竟成」と6つの“C”を心にとめておいてほしいなと願っております。

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